日本昆虫学会第84回大会・第68回日本応用動物昆虫学会大会 合同大会

講演情報

セミナー他

[GW1] 学会主催ランチョンセミナー

2024年3月29日(金) 12:00 〜 13:00 B会場 (萩)

12:20 〜 12:40

[GW1-02] 海外で昆虫サンプルを取得・移転するときの対応-生物多様性条約/名古屋議定書/ABSの話-

◯鈴木 睦昭1 (1. 国立遺伝学研究所)

海外で昆虫などの遺伝資源を取得したり、国外に移転するときには、それぞれの国の関連法規やルールを守り、必要な手続を行い、許可を得る必要がある。これらの法令や手続きが必要になった背景には、生物多様性条約(Convention on Biodiversity : CBD)において決定された(Access and Benefit-sharing: ABSや、名古屋議定書の発効(2014)が背景となっている。ABSに対応するために研究の遅延が生じやすいが、遺伝資源提供国の法令を遵守することは避けて通れない。提供国の法規制遵守や、日本国内でのABS指針の遵守、関連条約法令の対応が必要である。本講演では、各国の法規制の整備状況を紹介するとともに、エクアドル、インド、インドネシア、マレーシア・サバ州でのトラブル事例や対応方法を紹介する。ABS対応は、各国の法令が異なる、対応方法が不明瞭である、提供国の対応が遅く時間がかかるなどの課題がある、そのため、その対応には研究現場からの意見がとても重要である。今回、ABSに関する情報提供を行うとともに、皆様の意見をお聞きしたい。