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[GW1-02] 海外で昆虫サンプルを取得・移転するときの対応-生物多様性条約/名古屋議定書/ABSの話-
海外で昆虫などの遺伝資源を取得したり、国外に移転するときには、それぞれの国の関連法規やルールを守り、必要な手続を行い、許可を得る必要がある。これらの法令や手続きが必要になった背景には、生物多様性条約(Convention on Biodiversity : CBD)において決定された(Access and Benefit-sharing: ABSや、名古屋議定書の発効(2014)が背景となっている。ABSに対応するために研究の遅延が生じやすいが、遺伝資源提供国の法令を遵守することは避けて通れない。提供国の法規制遵守や、日本国内でのABS指針の遵守、関連条約法令の対応が必要である。本講演では、各国の法規制の整備状況を紹介するとともに、エクアドル、インド、インドネシア、マレーシア・サバ州でのトラブル事例や対応方法を紹介する。ABS対応は、各国の法令が異なる、対応方法が不明瞭である、提供国の対応が遅く時間がかかるなどの課題がある、そのため、その対応には研究現場からの意見がとても重要である。今回、ABSに関する情報提供を行うとともに、皆様の意見をお聞きしたい。