日本昆虫学会第84回大会・第68回日本応用動物昆虫学会大会 合同大会

講演情報

ポスター発表

[PG01] ポスター発表(一般A:コアタイム1)

2024年3月29日(金) 11:30 〜 12:30 桜(一般) (桜)

[PG01-15] カツオブシムシ類の生態解明と発生調査方法の研究

◯阿部 清文1、大村 和孝1、住田 裕行1、山口 寛正1、橋本 明香里1、平野 衿子1 (1. 横浜植防)

カツオブシムシ類(ヒメアカカツオブシムシ、ヒメマダラカツオブシムシ及びカザリマダラカツオブシムシ)について,これまでトラップを用いて定期的に実施してきた発生調査方法では,誘殺条件が不明であった.このため,改良トラップを用いて発生調査を行い,誘殺条件に関するデータを収集した.本調査では,サンケイ化学製SEトラップ(白)の中央にカツオブシムシ類のフェロモンルアーを取り付けた粘着板を組み合わせたフェロモントラップを作製した.このトラップに自動撮影カメラ及び温度計を固定したものを用いた.2023年4月28日から同年11月9日まで国内の自然条件下に設置し,1時間毎に粘着板を撮影するとともに温度を測定し,本トラップに誘殺されたカツオブシムシ類の誘殺条件を調査した.調査の結果,ヒメマダラカツオブシムシは,誘殺時刻から夜間は飛翔せず昼行性であること,21.7℃未満では誘殺されなかったため一定温度以下では飛翔しないこと,を初めて確認した.なお,本調査では,ヒメアカカツオブシムシ及びカザリマダラカツオブシムシは誘殺されなかった.このことをふまえ,これまでトラップを用いて定期的に実施してきた発生調査方法を見直し,発生動向を正確に把握するための調査方法を今後検証することとした.