[PG01-40] チャバネアオカメムシ Plautia stali のJHAMT様遺伝子の発現解析
幼若ホルモン酸メチル基転移酵素(JHAMT)は、アラタ体等におけるJH生合成の最終段階を担うキー酵素である。多くの昆虫種ではゲノム中に複数のJHAMT様遺伝子が存在することが知られているが、それらの生理的機能についてはほとんど不明である。チャバネアオカメムシPlautia stali には7種類のJHMAT様遺伝子 PsJHAMTL1-L7が存在する。本研究では、これら遺伝子の機能推定を目的に、定量PCRによる発現解析を行なった。その結果、7種の遺伝子は、性、休眠状態、発育ステージに依存してそれぞれユニークな発現パターンを示すことが明らかとなった。特に、PsJHAMTL2は、1齢から5齢の幼虫期間にはまったく発現していないが、非休眠オス成虫では、羽化後3日から急激に発現量が増加して、10日にピークを示し、少なくとも30日後まで高い発現が認められた。一方、非休眠メス成虫や休眠成虫ではまったく発現が認められなかった。また、本遺伝子は、非休眠オス成虫において腹部腹面の皮膚でのみ発現が認められた。以上の結果から、PsJHAMTL2は、オス成虫特異的な生理機能に関与することが示唆された。