[PG01-42] 栃木県のにら栽培ほ場におけるフシダニ科の一種Aceria sp.の発生について
2022年, 栃木県栃木市のにら生産ほ場(周年どり作型)において, ハウス内1割未満の株で葉が湾曲する被害が確認された. 被害株の葉鞘部から, 既知の種とは外部形態及び遺伝子情報が異なるフシダニ科の一種, Aceria sp. が確認された. 本種は白色でうじ虫形のダニであり, 主ににらの葉鞘内部に寄生する. 本種の寄生部位には, 本種の寄生に起因すると考えられる水疱状の隆起が確認される. 水疱状の隆起が発生した部分は肥厚し、葉に湾曲又はねじれ等の奇形が発生するため, にら葉の商品価値が失われる.2023年に実施した発生状況調査では, 栃木県内の複数市町で本種によるにらの被害が確認された. これら発生ほ場近辺の雑草類を調査した結果, 野良生えにらにおいても本種の寄生が確認された. また, にらに近縁のねぎ属植物を対象に室内接種試験を行った結果, 複数種植物においてにら同様の被害症状が確認された.