[PG01-47] 東日本大震災後の仙台砂丘有剣ハチ類の11年間の変化
2011年東日本大震災後の仙台砂丘で有剣ハチ類(以下、ハチ)の出現の変化を継続的に調べた。調査は22年までの11年間で、南蒲生を拠点にハチの活動期(5月〜10月)に月2回の捕虫網による見つけどりで行なった。その結果、累計で15科59属135種5,633個体のハチを得た。今回は経年変化とこの海浜における多様性について解析した。震災当年の海浜部で13種を記録。これは震災前の調査での27種より低い値だが、推定種数はほぼ匹敵しており、海浜性ハチへの津波の影響は軽微と考えられる。その後の新防潮堤工事に伴い、海浜部の種数は一時的に落ち込んだが数年で速やかに回復した。一方、中間部の種数と多様性は増加傾向にあり、震災前の水準を超えた。内陸部でも工事後増加したがその後減少傾向にあった。両調査区ハチ相は、震災前あるいは後から大きな変化が認められた。これには、新防潮堤完成後の中間部や内陸部で行われた盛土工事などの撹乱が影響している可能性がある。環境撹乱や微生息場所選考性と移動性などから、こうした変化や回復力(レジリエンス)について考察する。