[PG01-53] 昆虫嗅覚受容体発現センサ細胞による対象成分の簡易検査技術の開発
食品や水の品質管理の現場ではカビ臭等の対象成分を簡便に検査する技術が求められている。我々は、昆虫の嗅覚受容体を活用して、対象成分に蛍光応答を示す“センサ細胞”の作出技術を確立してきた。一方、センサ細胞の蛍光応答に基づいて、対象成分を簡易に検査する技術の確立には至っていない。本研究では、センサ細胞をガラス基板表面に固定したカートリッジを作製し、センサ細胞の応答を簡易的に計測して対象成分を検出する手法の構築を試みた。キイロショウジョウバエ嗅覚受容体、共受容体、およびカルシウム感受性蛍光タンパク質を共発現させたセンサ細胞を作出し、カートリッジを作製した。フルオロメータを用いて刺激添加前後でカートリッジの蛍光変化を取得した結果、Or13a、Or56aセンサ細胞でそれぞれ対象成分である1-オクテン-3-オール、ジェオスミンに対する蛍光応答を取得できた。これによりセンサ細胞を活用した対象成分の簡易的な計測手法を構築した。