[PG01-61] チャバネゴキブリの走光性を利用した捕獲方法
ゴキブリ類の防除には粘着式トラップが広く用いられている.トラップの捕獲効率を上げるために誘引物が併用されることもあるが,ハエ類などの飛翔性昆虫のように走光性を利用したゴキブリ用のトラップはゴキブリの生態的特徴からほとんどない.本研究はチャバネゴキブリの走光性を明らかにするとともに,捕獲効率の良い光源の配置方法を検討した.LED光源は波長365~700nm,および太陽光であり,光強度は光源から10cmの位置で光量子束密度0.8×1017photons・m-2・s-1に制御した.試験はプラスチック容器に光源有と光源無の粘着式トラップを並べる二者択一とした.箱型の粘着式トラップの粘着面に光源を設置した場合,光源無と比べ光源の種類に関わらずEPI(Excess Proportion Index)は0.4以上であった.一方,同トラップを箱型としない粘着トラップ(=平板粘着トラップ)では同色でもEPIの低下が確認された.これらの結果から,チャバネゴキブリの捕獲効率を上げるためにLED光源は有用であること,またその光源の配置方法は捕獲効率に影響することが明らかとなった.