日本昆虫学会第84回大会・第68回日本応用動物昆虫学会大会 合同大会

講演情報

ポスター発表

[PG02] ポスター発表(一般B:コアタイム2)

2024年3月30日(土) 12:30 〜 13:30 桜(一般) (桜)

[PG02-02] 植物のみどりの香りを用いたチョウ目幼虫に対する防衛機能

◯小澤 理香1、塩尻 かおり2、大田 航2、大野 裕香2、藤田 涼平2、中尾 拓磨2、白井 雄3、大門 高明3、伊達 みのり4、松井 健二4、高林 純示1 (1. 京都大・生態研、2. 龍谷大・農、3. 京都大院・農、4. 山口大・創成科学)

植物は傷や食害によってみどりの香り(Green leaf volatiles: GLVs)と呼ばれる揮発性化合物群を放出する。私たちはGLVsの生合成を抑える酵素(fatty acid hydroperoxide dehydratase: FHD)をカイコの絹糸腺から同定し、カイコのBmFHD遺伝子の類似配列が他のチョウ目昆虫に広く存在することを報告した(Takai et al., 2018)。またチョウ目幼虫の絹糸腺にみどりの香りを抑える活性があることを本大会で報告してきた。一方、近年GLVsの植食者に対する直接的な機能が注目されているが未解明な点も多い。そこで私たちはGLVsを抑制した植物を用い、アブラナ科のスペシャリストであるコナガ幼虫と食性幅の広いハスモンヨトウ幼虫のパフォーマンスにGLVsがどのような影響を与えるか調べた。さらに、アワヨトウのFHDをノックアウトした系統を作成し、トウモロコシを摂食させた場合の成長を野生型と比較した。これらの結果からGLVsのチョウ目幼虫に対する直接防衛機能について考察する。