日本昆虫学会第84回大会・第68回日本応用動物昆虫学会大会 合同大会

講演情報

ポスター発表

[PG02] ポスター発表(一般B:コアタイム1)

2024年3月30日(土) 11:30 〜 12:30 桜(一般) (桜)

[PG02-07] トマトキバガ・タバココナジラミの混発条件におけるタバコカスミカメの捕食能力

◯田中 彩友美1、水谷 信夫1 (1. 農研機構・植防研)

トマトキバガは、ナス科作物の世界的な重要害虫であり、2021年には日本国内で初確認された。国内のトマト圃場での発生を想定した場合、既存の難防除害虫であるコナジラミ類との同時防除体系を構築する必要がある。本研究では、トマトキバガおよびコナジラミ類の捕食性天敵であるタバコカスミカメ(以下、カスミカメ)について、トマトキバガとタバココナジラミ(以下、コナジラミ)の混発条件下での捕食能力を室内試験で評価した。プラスチックケージ内にトマトキバガ、コナジラミそれぞれが産卵した水差し苗を1株ずつ設置し、カスミカメ成虫を11日間放飼した試験では、両害虫の捕食が確認された。この時、コナジラミでは幼虫が多数捕食された一方で、トマトキバガの主な被捕食ステージは卵であった。また、両害虫のどちらか一方が産卵した小葉を1枚ずつ供与し、カスミカメ成虫による24時間あたりの捕食卵数を調査したところ、両害虫間で捕食卵数に有意な差は認められなかった。本研究は生研支援センター「イノベーション創出強化研究推進事業」(JPJ007097)の支援を受けて行った。