日本昆虫学会第84回大会・第68回日本応用動物昆虫学会大会 合同大会

講演情報

ポスター発表

[PG02] ポスター発表(一般B:コアタイム1)

2024年3月30日(土) 11:30 〜 12:30 桜(一般) (桜)

[PG02-15] 緑肥作物によるにらのネダニ類に対する密度抑制効果の検証

◯小林 佑1、春山 直人1、野澤 聡華1 (1. 栃木県農業試験場)

栃木県のニラは栽培期間が約2年間と長く,同一ほ場で連作されることから,土壌害虫のネダニ類(主にロビンネダニ)の被害が発生しやすく問題となっている.また,防除は主に化学農薬で実施されるが感受性低下の懸念があり,化学農薬代替技術の開発が求められている.昨年に続き,緑肥作物すき込みによるネダニ類の密度抑制効果を検討した.ニラ栽培後のネダニ類汚染ほ場に,無処理区(裸地)と,ハゼリソウ及びライムギを播種した緑肥区を設けた.緑肥は十分に生育した播種64日後にすき込み,同時に無処理区も耕起した.全区かん水後,農業用ビニルで被覆して22日間腐熟させた後に,ニラ苗を定植した.ネダニ類は,ツルグレン装置で土壌及びニラ株から抽出し密度指数を求めた.調査は播種前から収穫開始前まで計7回実施した.無処理区でネダニ類の増加が認められた定植16及び20,24週間後の緑肥区の密度指数(平均値)はライムギ(29.2),ハゼリソウ(48.7)の順に低かった.収穫開始直前(11月)の密度指数はライムギが58.0で最も低く,昨年度の試験結果と同様であった.このため,ネダニ類の密度抑制にはニラ定植前のライムギ栽培・すき込みが有効と考えられた.