[PG02-20] 沖縄県の露地オクラにおける天敵温存植物を用いた害虫類の密度抑制効果の検証と現地実証を通して見えてきた課題
沖縄県はオクラの出荷量が全国3位の主要産地で、主に3月から12月に露地で栽培される。オクラ栽培で問題となる重要害虫としては、フタテンミドリヒメヨコバイ(以下,ヨコバイ)やワタアブラムシ、ガ類が知られている。過去3か年の所内試験では、露地オクラ圃場周囲に天敵温存植物(ソルゴー、ソバ、ホーリーバジル)を植栽することにより、防除が困難となっているヨコバイに対する密度抑制効果が認められた(上里ら,未発表)。このため、2023年は、本島南部の現地露地オクラ2圃場(10a、3a)において実証試験を行った。その結果、栽培前半においては、ヨコバイの密度抑制効果がみられたが、9月以降においては判然としなかった。ワタアブラムシについては、慣行圃で株あたり最大47頭まで増加したが、実証圃では調査期間を通じ、株あたり5頭未満に抑制された。一方、所内圃場試験では発生の少なかったアカホシカメムシの発生が多くなる事例が認められたことから、今後の課題となることが示唆された。