[PS02-13] カイコガ性フェロモン受容体のEE異性体への応答特性の解析
カイコガメスは性フェロモンであるボンビコール((E,Z)-10,12-16:OH),ボンビカール((E,Z)-10,12-16:Ald),ならびにボンビコール異性体(E,E)-10,12-16:OH (EE-kol)を分泌する.オス触角にはボンビコール受容体(BmOR1)とボンビカール受容体(BmOR3)が存在し,前回大会までにBmOR1がEE-kolを受容することを報告した.しかし, BmOR1のEE-kolへの応答特性は明らかにされていない.本研究ではアフリカツメガエル卵母細胞にBmOR1をBmOrcoと共に異種発現させ,EE-kolに対する応答を測定した.ボンビコールおよびEE-kolの希釈系列をBmOR1発現細胞に対して試験した結果,両成分に対して濃度依存的な応答の増加が確認された.EE-kolへの応答はボンビコールと比較して低く,高濃度で顕著であった.さらに,ボンビコール単体と比較して,ボンビコールにEE-kolを混合すると BmOR1発現細胞の応答が低下することを確認した.本結果より,EE-kolは,BmOR1に特異的なパーシャルアゴニストとして作用することが分かった.