日本昆虫学会第84回大会・第68回日本応用動物昆虫学会大会 合同大会

講演情報

ポスター発表

[PS02] ポスター発表(学生B:コアタイム1)

2024年3月30日(土) 11:30 〜 12:30 桜(学生) (桜)

[PS02-13] カイコガ性フェロモン受容体のEE異性体への応答特性の解析

◯佐藤 健斗1、櫻井 健志2、藤井 毅3、松山 茂4、神﨑 亮平1、光野 秀文1 (1. 東大先端研、2. 東農大、3. 摂南大、4. 筑波大)

カイコガメスは性フェロモンであるボンビコール((E,Z)-10,12-16:OH),ボンビカール((E,Z)-10,12-16:Ald),ならびにボンビコール異性体(E,E)-10,12-16:OH (EE-kol)を分泌する.オス触角にはボンビコール受容体(BmOR1)とボンビカール受容体(BmOR3)が存在し,前回大会までにBmOR1がEE-kolを受容することを報告した.しかし, BmOR1のEE-kolへの応答特性は明らかにされていない.本研究ではアフリカツメガエル卵母細胞にBmOR1をBmOrcoと共に異種発現させ,EE-kolに対する応答を測定した.ボンビコールおよびEE-kolの希釈系列をBmOR1発現細胞に対して試験した結果,両成分に対して濃度依存的な応答の増加が確認された.EE-kolへの応答はボンビコールと比較して低く,高濃度で顕著であった.さらに,ボンビコール単体と比較して,ボンビコールにEE-kolを混合すると BmOR1発現細胞の応答が低下することを確認した.本結果より,EE-kolは,BmOR1に特異的なパーシャルアゴニストとして作用することが分かった.