[PS02-24] エダナナフシの初期胚休眠を終了する環境条件の実験的解析
エダナナフシは,産卵時期に応じて卵期間に一度または二度休眠し,二度休眠する場合はまず初期胚休眠を行う.本研究では,初期胚休眠の終了要因について調べた.25℃長日で採卵した卵に,25℃1週間の後20℃8週間の気温低下を経験させ,休眠を誘導した.その後,0~12週間の低温(10℃)を経験させ,20~30℃で飼育した.そして,DAPI染色を行い,胚発生段階を決定した.20℃から25℃へ直接移すと,4週間で41%の休眠が終了した.一方,10℃を経験させてから25℃へ移すと,4週間では休眠が維持されており,8週間後に休眠が終了した.10℃期間が長くなるほど,25℃に移してからの発生が遅れたことから,10℃には休眠を深める効果があると考えられた.また,休眠卵を25℃一定で飼育すると,20週目までに休眠が終了しなかったことから,休眠終了には気温低下からの気温上昇が必要と考えられた.20℃8週間の気温低下後,20℃で飼育を続けると12週間で46%の休眠終了が確認され,10℃を4または12週間経験後20℃へ移すと,それぞれ40%または91%の休眠終了が確認された.よって,10℃だけではなく20℃でも休眠発育は進むと考えられた.また,20℃では休眠後発育も進むと考えられた.