[PS02-35] キタキチョウ非寄主マメ科植物の化学的形質とメスの産卵反応
カワラケツメイ、ツノクサネム、ナヨクサフジはマメ科でありながらキタキチョウ幼虫は餌として利用できない。しかし、これらに対するメスの産卵が報告されることもあり、キタキチョウにおける産卵の可否は不明である。キタキチョウの産卵刺激物質としてピニトール(P)、トレオン酸(TA)などが、産卵阻害物質としてアラビノース(Ara)、アラビトール(Aol)が同定されている。本研究では、(1)P・TAの産卵活性に対するAra・Aolの影響、(2)前述のマメ科3種の生葉・抽出物・水溶性画分に対するメスの産卵反応を調べた。(1)AraはTAの産卵活性を阻害した。AolはP・TA両方を阻害し、阻害効果はTAでより高いことがわかった。(2)メスはカワラケツメイの各サンプルに殆ど産卵しなかった。ツノクサネムの生葉に対しては約50%の産卵率であったが、その抽出物には殆ど産卵せず、高極性水溶性画分で産卵が回復した。ナヨクサフジの各サンプルに対しては約50%の産卵率であった。水溶性画分に含まれる既知の産卵制御物質を定量し、メスの産卵反応の結果を考察する。