日本昆虫学会第84回大会・第68回日本応用動物昆虫学会大会 合同大会

講演情報

ポスター発表

[PS02] ポスター発表(学生B:コアタイム2)

2024年3月30日(土) 12:30 〜 13:30 桜(学生) (桜)

[PS02-50] アフリカ産Beauveria bassiana添加擬似餌を用いたProstephanus truncatus Hornの防除

◯田中 俊平1、小池 正徳1、相内 大吾2 (1. 帯畜大・環微研、2. 帯畜大・GAMRC)

アフリカでは、Prostephanus truncatusによる貯蔵穀物への被害が深刻であり、主に化学殺虫剤が使用されるものの、殺虫剤抵抗性の発達や人体への健康被害が問題視されている。本研究では、その代替技術として昆虫寄生菌入りの擬似餌による防除効果に着目した。昆虫寄生菌はブルキナファソのハマダラカから分離したBeauveria bassiana 105-8および99-1を用いた。擬似餌は粉砕したトウモロコシ粉に分生子懸濁液を添加し、打錠機で押し固めて作製した。105-8を添加した擬似餌を給餌したP. truncatusでは、対照区と比較して、給餌開始20日後以降の致死率が有意に高くなった。擬似餌の摂食量は99-1処理でのみ若干の減少傾向が見られた。死亡個体では、105-8処理で81%、99-1処理で61%のB. bassiana感染が確認された。また、擬似餌中の菌体の残存量を希釈平板法により測定したところ、擬似餌作成後57日で105-8では8.6×107CFU/g、99-1では2.1×107CFU/gとなった。以上の結果から、B. bassianaを添加した擬似餌は、約2ヶ月に渡り高い菌体密度を維持しており、P. truncatusに対する致死効果と感染性を示すことが明らかとなった。