[PS02-51] アブラナ科植物を食害するモンシロチョウの新規微生物防除資材の探索
モンシロチョウは幼虫期にアブラナ科植物を加害するためその防除対策として化学農薬を利用している。しかし環境汚染により持続可能な施策が求められており、その一つとして微生物防除資材の活用も推奨されている。微生物防除資材は『持続的に防除』・『環境負荷が低い』という有用性を持つ。その中でも微胞子虫は垂直・水平伝搬をし長期的な感染を引き起こし、宿主特異性の高い微生物である。このことから微胞子虫は微生物防除資材に適した微生物といえる。モンシロチョウにおいても同様に新たな微生物防除資材が必要となる。先行研究によりモンシロチョウの微胞子虫感染割合は他の昆虫より高いと報告されている。しかし過去モンシロチョウから回収された株の多くが多重感染の微胞子虫株である。この状態では性状調査や同定が出来ないため単離が必要となる。本研究ではモンシロチョウより微胞子虫株を分離しパーコール密度勾配遠心分離法による単離を試みた。遠心分離後は胞子のサイズが大きい胞子と小さな胞子が回収され、大胞子と小胞子を7：3にまで分離された。その次に属の推定を行うためSSUｒRNA遺伝子配列の解析を実施した。その結果2種類の異なる微胞子虫の遺伝子をクローニングした。今後は新規の単離法の模索と、株の同定、宿主域の特定をおこなっていく。