[PS02-58] サビマダラオオホソカタムシ1齢幼虫の日齢が代替宿主への寄生におよぼす影響
サビマダラオオホソカタムシ(以下,本種)は,カミキリムシ類の幼虫や蛹に捕食寄生する天敵昆虫であり,生物的防除資材としての利用が有望視されている。Sato and Itoyama(2022)は,本種の大量増殖に向けて,冷凍処理したツヤケシオオゴミムシダマシの蛹を代替寄主として用いる新たな飼育方法を確立したが,本種1齢幼虫の代替宿主への寄生成功率が低いという課題が残った。そこで本研究では,この飼育方法の改良に向けて,孵化後0,1,2,3,4,5日齢の本種1齢幼虫を代替宿主に接種し,その寄生成功率と得られた本種蛹の体サイズを比較した。その結果,日齢の増加と伴い,本種の寄生成功率が低下する傾向が認められ,0〜2日齢幼虫を接種した場合では,いずれも60%以上の寄生率を維持した。一方,接種した幼虫の日齢の間で,得られた本種蛹の体サイズに有意差は認められなかった。以上より,孵化後0〜2日齢の本種1齢幼虫を代替宿主に接種することで、高い寄生率が得られると結論づけた。なお,本研究はイノベーション創出強化研究推進事業により実施した。