日本昆虫学会第84回大会・第68回日本応用動物昆虫学会大会 合同大会

講演情報

ポスター発表

[PS02] ポスター発表(学生B:コアタイム1)

2024年3月30日(土) 11:30 〜 12:30 桜(学生) (桜)

[PS02-63] ツヤケシオオゴミムシダマシの蛹を用いた天敵昆虫サビマダラオオホソカタムシ
の飼育法の改善

◯栢森 綾音1、糸山 亨1 (1. 明治大学院・農)

サビマダラオオホソカタムシ(以下ホソカタ)は,マツノマダラカミキリ個体群に対する密度抑制効果を持つ。ホソカタの製剤化に向けて,ツヤケシオオゴミムシダマシ(以下ゴミムシダマシ)の蛹は代替宿主として利用可能だが,その防御行動がホソカタの寄生率に悪影響を与える課題があった。そこで当研究室で,結束処理によりゴミムシダマシの蛹の防御行動を制限した時の寄生率への影響を調査したところ,寄生率は向上したが,処理に必要となる時間と手間に課題が残った。本研究では蛹の防御行動を効率的に制限する方法を検討するため,広さが異なる容器としてシャーレ(64mm×19mm)またはバイアル瓶(27mm×55mm)を用いることによるホソカタの寄生への影響を調査した。その結果,狭い容器を用いて蛹の防御行動を抑制すると結束処理と同等の寄生率の向上が確認された。以上の結果から,ホソカタの飼育法の改善策について考察する。なお,本研究の一部はイノベーション創出強化研究推進事業により実施した。