[PS02-68] 樹木穿孔性害虫4種の幼虫のアリルイソチオシアネート(AITC)に対する感受性
樹木穿孔性害虫は樹木の重要害虫の1つで、特にカミキリムシ類の防除では孔道に薬液を注入する方法が効果的であるとされる。しかし、幼虫が樹木内部に複雑な構造の孔道やフラスが充満した孔道を形成した場合、薬液が虫体に届かず、駆除効果が低下することから、より効果的な駆除方法の開発が求められている。アリルイソチオシアネート(以下AITC)は、高い揮発性を有し、様々な昆虫種に対し殺虫効果が報告されていることから、孔道の奥に潜んでいる幼虫に対しても殺虫効果を発揮できると期待されるものの、木材に穿孔する昆虫を対象とした研究はほとんど行われていない。本研究では、樹木内部の幼虫にAITCが駆除効果を示すかを検証するため、樹木内部のコウモリガ・キボシカミキリ幼虫を対象としたモデル試験を行った。また、AITCに対する樹木穿孔性害虫の感受性を調べるため、カミキリムシ幼虫3種とコウモリガ幼虫の計4種の感受性試験を行った。