日本昆虫学会第84回大会・第68回日本応用動物昆虫学会大会 合同大会

講演情報

ポスター発表

[PS02] ポスター発表(学生B:コアタイム1)

2024年3月30日(土) 11:30 〜 12:30 桜(学生) (桜)

[PS02-87] 農村部と都市で飼育されたセイヨウミツバチの窒素・炭素安定同位体比の比較

◯岩竹 政治1、兵藤 不二夫1、宮竹 貴久1、加藤 学2、藤岡 春菜1 (1. 岡山大学、2. 山田養蜂場)

セイヨウミツバチを用いた都市養蜂は、日本の各地で盛んである。生物が都市環境にどのような影響を受けるのかは、近年の大きな研究課題となっている。本研究では、岡山県の農村部と都市で養蜂されたセイヨウミツバチの窒素・炭素安定同位体比(δ15N・δ13C)の違いに注目して解析を行った。具体的には岡山市(岡山県南部)で飼育されている都市のミツバチと苫田郡鏡野町(岡山県北部)で飼育されている農村部のミツバチを対象とし、1) δ15N・δ13C値の比較2) δ15N・δ13C値の季節変化を比較した。2022年の5月から10月にサンプリングを行い、179個体のセイヨウミツバチの採餌個体について同位体分析を行った。その結果、δ15N値は、都市と農村部で有意な差があり、都市のミツバチではδ15N値が有意に高かった。一方、δ13C値は、都市と農村部で有意な差は見られなかった。δ15Nは、都市と農村部ともにサンプリング期間を通して安定した値を示した。δ13Cは都市と農村部で異なる季節変動を示し、農村部は期間を通して減少傾向を示した。都市は5月から減少していたが、9月末に急上昇した。都市のセイヨウミツバチで見られた高いδ15N、および安定同位体比の季節変動について考察したい。