The 84th Annual Meeting of the Entomological Society of Japan・The 68th AEZ annual meeting

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[PS02] ポスター発表(学生B:コアタイム2)

Sat. Mar 30, 2024 12:30 PM - 1:30 PM Sakura (Student) (Sakura)

[PS02-92] 幼虫期、前蛹期の低温保存を利用したアメリカミズアブの系統保存

◯Aya Takenaka1,2, Ken Sugimura3, Masami Shimoda3, Tetuya Kobayashi1 (1. NARO, 2. Ibaraki Univ., 3. Tokyo Univ.)

アメリカミズアブ(Helmetia illucens)は休眠性を持たないため、1年を通じて飼育を続ける必要がある。これは、地域個体群や系統選抜や育種の過程で生じる多くの飼育系統を維持する上で問題となる。また、ミズアブの生産事業者が、冬期など飼育に不適な環境下で飼育系統を一時的に保管することができない点も問題である。ミズアブを低温下に置くことで発育が遅延することは広く知られているが、これを系統の保存法として体系的な技術としてものはない。28℃で継代飼育しているミズアブのふ化7日後幼虫500個体を16℃に移動し70日間保管したのち、28℃に戻して羽化まで飼育した。蛹化率は28℃飼育飼育と比較し59.5%に下がったが蛹はすべて羽化し、産卵後の卵は正常にふ化した。この時、卵から成虫までの期間は118日となり、通常の飼育より60日間延長した。次に、16℃70日間処理をした幼虫を前蛹まで28℃で飼育し、前蛹期に10℃で70日間保管したのち、28℃に戻して羽化まで飼育した。この時、卵から羽化までの期間は185日間に延長したが、羽化率は59%に低下した。