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[SW-02] ツマジロクサヨトウの寄主作物と国内外における被害状況
ツマジロクサヨトウはトウモロコシをはじめイネや牧草などのイネ科作物を加害することで知られており、国内では侵入した2019年にトウモロコシ、ソルガム、サトウキビで発生が確認された。しかしながら翌年以降、ショウガなどイネ科以外の作物でも報告され作目数が増加した。本種のような長距離移動性昆虫は地域によって摂食する作物が異なることがある。そこで、国内における寄主植物を把握するため、2019年夏から2022年初秋までの国内において本種が発生した植物について、47都道府県を対象にアンケート調査を行った。その結果、ローズグラス、ツノアイアシ、トランスバーラなどでも確認されたことが判明した。また、日本における作物の中で本種の発育に適したものを明らかにするため、イネ科、マメ科および野菜類の主要栽培品種を給餌した個体の発育や生存率を観察した。キュウリ葉では羽化個体は得られなかったが、サトウキビ、ソルガム、イタリアンライグラス、ネギ、レタス、キャベツ、チンゲンサイ、トマト、ピーマン、ナスの葉ではいずれも発育を完了した。以上から、国内に侵入したツマジロクサヨトウにおいてはイネ科以外の多くの作物も好適な餌植物であることが示唆された。発表では海外における寄主植物についても合わせて紹介する。