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[SW-03] 青刈りトウモロコシ生産におけるツマジロクサヨトウ対策
ツマジロクサヨトウ(FAW)は広食性の害虫だが、特にトウモロコシを好んで加害することが報告されている。国内では殺虫剤が散布されることの少ない、青刈りトウモロコシでの被害が予想されることから、青刈りトウモロコシを対象に、九州での被害状況や、収量への影響について調査を行った。また、FAWの有効な防除体系を検討した。夏期に播種する作型(夏播き)において殺虫剤を定期的に散布する防除区と、防除を行わない無防除区とで収量を比較したところ、無防除区の収量は防除区よりも17%低下しており、防除が必要と考えられた。次に、FAWの防除に有効な体系を検討するため、殺虫剤の散布時期や回数について、複数年の試験で検討した。その結果、生育前半に1~2回の登録薬剤による防除を実施することで、乾物収量への影響を軽減できる事が明らかになった。以上から、FAW発生状況に応じて生育前半に1~2回の薬剤防除を実施することが青刈りトウモロコシでのFAW被害軽減に有効と考えられる。