[W04] ｢縁尋機妙・昆虫生態学の牽引者から学ぶ｣（３）大崎直太さんと愉快な仲間達

[W04-02] “剃刀を持つ鉄人”大崎先生との四半世紀

◯大秦 正揚¹ (1. 京都先端科学大学)

大崎先生とお会いしてから、なんと四半世紀が過ぎました。この間すぐ傍で、進行中の研究の話を聞き或いは共同で研究をするということを続けることができています。大変幸運なことです。ただ、この幸運は、私が弟子たちの中で最も“愚鈍な民草”であるために、研究者として又は社会人として自立することが遅れたことによりもたらされたものであって、それ故このような形で講演することになり恐縮しかありません。と言いつつ不遜にも先生の研究の根底にあるものを分析しますと、実直かつ徹底的に「“適応度”を考える」（最後の集中講義のタイトル）という姿勢があるのだと思います。そして、こうした研究姿勢のもと数々の画期的な研究成果を可能にしてきたのは、先生の“オッカムの剃刀”ばりの“大崎の剃刀”で仮説を絞り込んでいく知性、および数多知られる“鉄人”に引けを取らない強靭な体力と行動力であると思います。
　今回の講演では、“剃刀を持つ鉄人”大崎先生との共同研究の内容紹介を中心に、あまり知られていないであろうエピソードについても（後々怒られない程度に）ご紹介できればと考えています。