The 84th Annual Meeting of the Entomological Society of Japan・The 68th AEZ annual meeting

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Workshops

[W15] 討論しよう!飛来性害虫の殺虫剤抵抗性管理

Sun. Mar 31, 2024 5:00 PM - 6:30 PM Site A (Tachibana)

世話人:山本敦司

6:00 PM - 6:30 PM

[W15-03] 現場で取り組む飛来性害虫対策 ~シロイチやオオタバコを例に~

◯Ken Shimizu1, Kazutoshi Nemoto2 (1. Chiba Prefecture, 2. JA Zennoh Chiba)

千葉県におけるチョウ目飛来性害虫の現況と対策について紹介する.今年度,トマトキバガは初確認があったものの被害発生には至っておらず,ツマジロクサヨトウは初侵入から4年が経過するものの大きな問題には発展していない.一方で,露地野菜類におけるオオタバコガ,ハイマダラノメイガ,ハスモンヨトウ等,県内で既にpest statusを確立させている種による被害が顕著であり,夏期の高温少雨や,基幹的な殺虫剤に対する感受性低下等の要因が多発生を招いたものと推察された.
 特に,近年各県から注意報が発表されていたシロイチモジヨトウが,本県ネギ産地において多発生した.関係機関が連携し迅速な感受性検定試験を実施した結果,メタジアミド系剤に頼らないローテーション散布に向けた剤選択が可能となった.しかし,化学的防除以外の選択肢開発が停滞しており,薬剤抵抗性管理の面からも総合防除に向けた早急な試験研究が必要である.
 オオタバコガに対しては,既存の殺虫剤を効果的に使用することにより,防除効果を高く維持できる事例が確認された.露地野菜品目においては総合防除に活用できる技術メニューが少ない中,防除の経済性の向上に貢献するものと考えられる.