17:45 〜 18:30
[W17-02] 昆虫相解明に携わって見えてきたこと 〜地方博物館学芸員の立場から〜
昆虫は身近に生息し手軽に採集・観察できる生物でありながら、多様性の高く複雑な群集構造が刻々と変化して止まず、昆虫相解明は新知見に富んだ魅惑の分野である。そのため地方同好会や地方博物館、学校等による自然科学研究の柱として、各地で昆虫相調査の取組が進められてきた。その成果はレッドリスト選定などの社会的な貢献にもつながっており、今後も絶やすことなく継続することが不可欠である。他方、昆虫採集の在り方の変化や教育の変化、人口の減少など様々な理由によって、こうした取組の継続が窮地に陥っていることも少なくない。 演者は6年前に地方博物館の学芸員に着任してから、自身の専門分野を飛び越えて、地域の昆虫相解明にまつわる様々な事例に取り組んだり見聞きしたりしてきた。その経験を元に、地域昆虫相解明を進めていく上での課題、展望、分類学者への要請等について議論する。