17:00 〜 17:25
[W20-01] フェロモンと受容体を対応づける新たなアプローチの探索-脱シラミ潰しのために-
社会性昆虫にとって,フェロモンを用いた個体間コミュニケーションは社会の維持に不可欠である。繁殖分業,育児,採餌,防衛といった様々な局面において,それぞれ寄与する情報化学物質の存在が報告されている。しかし,個々のフェロモンがどのように異なる「意味」をもたらすのか,その仕組みは多くが不明のままである。
フェロモン受容の分子機構を明らかにする上では,対応する受容体の同定が不可欠である。ミツバチは約170個もの嗅覚受容体遺伝子(OR)を持つ。これら多数のORを半ばシラミ潰しに解析するには多大な労力が必要となり,現在までに受容体との対応づけがなされているものは2物質にとどまる。嗅覚系には「一種類の嗅神経細胞には基本的に一種類の同じORしか発現しない」という特有の一対一関係が存在する。演者らは,対象の化学物質に反応する嗅神経細胞を先に絞り込み,その細胞に選択的に発現するORのみを解析することで省力化が可能ではないかと考えた。神経活動マーカー遺伝子を用いたアプローチの可能性について議論したい。
フェロモン受容の分子機構を明らかにする上では,対応する受容体の同定が不可欠である。ミツバチは約170個もの嗅覚受容体遺伝子(OR)を持つ。これら多数のORを半ばシラミ潰しに解析するには多大な労力が必要となり,現在までに受容体との対応づけがなされているものは2物質にとどまる。嗅覚系には「一種類の嗅神経細胞には基本的に一種類の同じORしか発現しない」という特有の一対一関係が存在する。演者らは,対象の化学物質に反応する嗅神経細胞を先に絞り込み,その細胞に選択的に発現するORのみを解析することで省力化が可能ではないかと考えた。神経活動マーカー遺伝子を用いたアプローチの可能性について議論したい。