日本薬学会第140年会(京都)

セッション情報

一般シンポジウム

[S13] 日本の医薬品産業が今後世界をリードするためにはどうすべきか

2020年3月26日(木) 16:15 〜 18:15 [B会場]Room B-1 (2F)

オーガナイザー:鈴木 岳之(慶應大薬)、中村 洋(慶應大院経営管理)

近年の決して好調とはいえない日本経済の中において、医薬品産業は数少ない成長産業である。実際に、2008年のリーマンショック後、自動車産業や電気機器産業といったトップ企業群が収益性の低下により、法人税、事業税の平均納税額が極端に低下したのに対し、医薬品業界トップ企業の納税額はそれほど低下していない。これは、日本における医薬品産業の適性を示している。日本の医薬品市場の規模は、世界の約1割で、アメリカと合わせるとほぼ世界市場の5割弱を占める。創薬能力を持つ国家は10カ国程度であり、日本が世界をリードする立場に立てる業界でもある。しかし、開発費用の高騰と、それに反して新薬創出が減ってきているという、いわゆるイノベーションギャップが医薬品産業における大きな問題となっていることも確かである。さらに、日本では保険制度および公定価格(薬価制度)により、他の産業とは異なる日本独自の医薬品市場が構築されている。高額医薬品も最近問題とされてきており、医療費削減の最も抵抗の少ない標的として医薬品価格の切り下げが恒常的に行なわれている。その結果、内資系製薬企業の収益がグローバル展開しているメガファーマに比肩しうるレベルに到達することが阻まれ、そのことも国際競争力の増強を妨げる一因となっている。本シンポジウムでは、日本発の創薬を継続的に推進するための基盤形成の方略を様々な立場から考える機会としたい。

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