日本薬学会第140年会(京都)

セッション情報

一般シンポジウム

[S40] 医薬分野におけるゴールド(金)の有用性と可能性

2020年3月28日(土) 09:00 〜 11:00 [E会場]Room E (1F)

オーガナイザー:樋口 恒彦(名市大院薬)、米田 誠治(鈴鹿医療大薬)

金は古代より富や美の象徴として人類に重宝されてきた。しかし、金が医薬品として何千年も前から現在に至るまで使用され続けていることを知る人は少ない。金は中国、エジプトおよびインドにおいて、炎症、感染症および結核の治療薬として古くから伝統的に用いられてきた。1980年代には金製剤オーラノフィンが抗リウマチ薬として承認され、現在も臨床使用されている。近年においてはその多様な生理活性から、オーラノフィンの新たな適応の開拓も検討されている。また、金製剤の実用化ののちに、安定なものと思われていた金の錯体に触媒としての機能が見出され始め、現在では様々な有機化学反応に汎用されている。さらに、金ナノ粒子を基盤とする薬物送達および放出システムに関する研究が、臨床応用を念頭に行われている。このように、金は医薬品原薬としてだけでなく、医薬品の製造および体内動態改善を行う上でも非常に有用な素材であり、医薬分野において今後の発展が大いに期待される遷移金属の一つである。本シンポジウムではそれぞれの用途について、最新の研究成果を交えながら、今後の展望を総合的に議論する。

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