日本薬学会第140年会(京都)

セッション情報

一般シンポジウム

[S41] エクソソーム研究が拓くDDSの最前線

2020年3月28日(土) 09:00 〜 11:00 [T会場]さくら (1F)

オーガナイザー:浅井 知浩(静岡県大薬)、大河原 賢一(神戸薬大)

近年のエクソソーム研究の進展は目覚しく、これまでに数多くの重要な知見が蓄積され、病気の診断・治療への応用が試みられている。エクソソームは、脂質膜、タンパク質、核酸などから構成される粒子径40-200 nmの閉鎖小胞であり、がん細胞や免疫細胞をはじめ、ほとんどの細胞から分泌される。生体内には、この分泌されたエクソソームに含まれるmRNAやmicroRNA等がまた別の細胞に運搬される仕組みがある。すなわち、エクソソームを介した細胞間コミュニケーションの存在が知られている。エクソソームは、生体内で物質を送達する内因性ベクターと捉えることができるため、drug delivery system(DDS)の研究分野においても非常に大きな注目を集めている。エクソソームそのものをDDSキャリアとして用いる試みや、エクソソームを模倣した人工キャリアを創製する試みは、革新的な医療技術の開発につながると期待されている。そこで、本シンポジウムでは、エクソソーム研究を牽引する第一人者の先生方に最先端の知見をご紹介いただき、「エクソソーム」と「DDS」をキーワードに今後の医療応用について活発な議論を展開する。エクソソームの物理化学的性質、体内動態、生体内における役割の解明といった基盤研究の成果から、エクソソームの疾患治療への応用についてまで参加者とともに議論し、今後のDDS研究の発展に貢献したいと考えている。

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