日本薬学会第140年会(京都)

セッション情報

一般シンポジウム

[S43] 医療ビッグデータを薬物治療と創薬に活かす

2020年3月28日(土) 09:00 〜 11:00 [V会場]アネックスホール1 (1F)

オーガナイザー:金子 周司(京大院薬)、中村 光浩(岐阜薬大)

大規模データの統計解析による新たな関係性の発見(仮説の創出)に基づくデータ駆動型サイエンスや、人工知能(AI)とも言われる深層学習を用いた予測を生命科学や医療に応用する試みが始まっている。2018年5月に施行された次世代医療基盤法によって、個人を特定できないように匿名化した患者の医療情報を研究開発に活用するための基本ルールが定められた。元々、化学と生物学の応用学問である薬学は、それぞれが蓄積してきた各種のビッグデータをインフラとして利用しているが、爆発的に増えている有害事象セルフレポート、診療報酬明細書(レセプト)、電子カルテ診断・処方や検査値といった臨床データを研究に活用している例はまだ少ない。将来的にはゲノム情報、診断画像、医療テキストなどと組み合わせた発展も期待されており、これらを活用した科学は21世紀の創薬や医療に大変革をもたらすことは想像に難くない。本シンポジウムでは米国コロンビア大学医学部で世界最先端の医療情報研究を行っているDr.Tatonetti(特別講演者)にも参加していただき、我が国において医療ビッグデータを化合物設計、創薬ターゲット探索、ドラッグリポジショニング、医薬品適正使用など様々な領域で活用している薬学研究者が事例を紹介して議論を深め、臨床エビデンスに裏付けられた新しい創薬と薬物治療の理解を目指す。なお本シンポジウムは英語スライドを示しつつ口演は日本語で行われ、質問は日本語でも英語でも構わない。

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