日本薬学会第142年会(名古屋)

セッション情報

一般シンポジウム

[S23] 血管透過性を標的とする新戦略での疾患治療

2022年3月27日(日) 09:30 〜 11:30 [O会場] 会議室234 (2号館3階)

オーガナイザー:岡田 欣晃(阪大院薬)、鈴木 亮(帝京大薬)

 血管は酸素や栄養を運搬するための単なる通り道ではない。血管はその透過性をダイナミックに変化させることで、血管と組織(臓器)間の物質や細胞の移動を制御し、生体恒常性を維持する役割を担っている。例えば、脳血管の透過性は、他臓器に比べて極めて低く保たれている。この脳血管だけにみられる性質は血液脳関門と呼ばれ、脳を異物侵入から守る重要な役割を担うが、その反面、脳への薬の送達をも妨げるため脳疾患治療の足かせとなっている。一方で、血管透過性は、病態の発現にも深く関与している。例えば、近年世界的な問題となっている重症感染症では、血管透過性の過剰な亢進により、血液が血管外漏出することで臓器不全など致死的な病態が誘導される。このように血管透過性は、恒常性維持と病態発現の双方に寄与するため、その制御メカニズムの解明と制御技術の確立により、新しい疾患治療薬や薬物デリバリー技術を開発できると期待される。本シンポジウムでは、血管透過性の制御を担う分子の機能解明とその知見に基づく新しい発想での疾患治療薬と薬物デリバリー技術の提案、さらに超音波とマイクロバブルを活用した最新の血管透過性制御技術についてご講演をいただく。血管透過性を標的とする新発想でのアプローチが、感染症、炎症性疾患、脳疾患、がんなど、さまざまな難治性疾患治療の治療戦略となりうることを紹介し、議論したい。

趣旨説明:岡田 欣晃(阪大院薬) (09:30 〜 09:34)

09:54 〜 10:18

山本 清威1,2、渡邊-高野 晴子3、堀上 大貴4、髙木 夕希1、石井 智裕1、大橋 隆治5、久保田 義顕6、村田 幸久4、望月 直樹3、○福原 茂朋1 (1. 日医大先端研、2. 徳島大医歯薬、3. 国循セ、4. 東大農、5. 日医大診断病理、6. 慶應大医)

総括:鈴木 亮(帝京大薬,帝京大先端総研) (11:26 〜 11:30)

×

認証

×

要旨・抄録、PDFの閲覧には参加者用アカウントでのログインが必要です。参加者ログイン後に閲覧・ダウンロードできます。
» 参加者用ログイン