第16回日本薬局学会学術総会

講演情報

シンポジウム

シンポジウム4
「薬機法改正に伴う薬局・薬剤師の役割(位置づけ)の変化」

2022年11月5日(土) 14:40 〜 16:40 第2会場 (5階 国際会議室501)

座長(オーガナイザー):永冨 将寛 ((株)トータル・メディカルサービス 代表取締役専務/(株)永冨調剤薬局 専務取締役), 冨松 理沙 ((株)さかきばら薬局 取締役)

[SY4-2] 認定薬局が地域でどう役割を果たすか

孫 尚孝 (~10月末:(株)ファーマシィ 医療連携部 部長/11月~東京薬科大学 客員研究員)

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持続可能な医療保険制度を構築するために、「病院完結型医療」から切れ目のない医療を地域全体で支える「地域完結型医療」への転換、すなわち地域包括ケアシステムを柱とした施策が推し進められている。厚生労働省は、地域包括ケアシステムの一翼を担う「かかりつけ薬剤師・薬局」について示した「患者のための薬局ビジョン」を2015年10月に公表し、その薬局ビジョンの具現化に向けて2019年12月にいわゆる薬機法を改正、そして地域連携薬局及び専門医療機関連携薬局(以下、認定薬局)の認定制度を2021年8月にスタートさせた。
認定薬局では、保険医療機関や介護事業所等と情報連携を図りながら、効率的で質の高い薬物療法を地域の中でシームレスに継続されることが求められる。
さらに2022年7月に公表された「薬局薬剤師の業務及び薬局の機能に関するワーキンググループ」のとりまとめでは、今後、地域の薬局間連携のまとめ役として地域連携薬局の要件の拡充又は地域連携薬局の発展型 (機能強化型)について検討を進めることが示された。
一方で、薬剤師側からは医療機関等との連携をどのように進めればいいのか、また多職種側からは薬剤師の役割が見えない、ゆえに何を期待して連携すればいいのかがわからないといった声も少なくなく課題も多い。
地域連携を進めるためには、「我々のため」でなく「患者のため」の連携であることを前提に目指すゴールを共有し、また自分たちに必要なものだけを求めるのではなく、相手は何を求め必要としているのかも考えながら、ギブアンドテイクを基本に進めていく必要がある。
また、連携とはお互いの役割を理解し、抱える問題を共有し、その問題解決に向けてアクションを起こすことで初めて構築されるものであり、認定薬局を通じて、薬局薬剤師が地域で担う役割を、薬局の利用者のみならず地域住民や多職種から理解されることが、薬剤師の専門性や多職種連携の強化につながるものと期待される。