第17回日本薬局学会学術総会

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一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Aグループ

Mon. Oct 9, 2023 1:10 PM - 1:50 PM ポスター会場 (2号館3階 会議室231/会議室232+233/会議室234)

[P-013-A] 新型コロナウイルス流行前後の健康フェアにおける一般市民の生化学値の変動

山中 美紀1, 中村 純平1, 毛利 有貴1, 鈴鹿 真子1, 岡田 瑞希2, 林 宏和2, 猪川 和朗2, 森川 則文2 (1.(株)せいき キタバ薬局, 2.広島大学 薬学部 臨床薬物治療学研究室)

【目的】
「患者のための薬局ビジョン」において「健康サポート薬局」は地域住民の健康意識を高め、健康寿命の延伸に貢献する事が求められた。しかし、新型コロナ感染症の流行で、本薬局主催の健康フェアも中断し、地域住民の健康状況把握が困難となった。また、外出自粛に伴う身体活動量の低下によって、生活習慣病の発症リスクの増大や、症状の悪化が示唆される。健康フェアを再開し、過去のデータと比較する事で、新型コロナ感染症前後の地域住民の健康状態を調査することを目的とした。そこで、得られた結果を全国結果と比較したので報告する。
【方法】
2022年11月、本薬局と広島大学薬学部臨床薬物治療学研究室は、大阪府南河内地区にて健康フェアを開催した。測定項目は、血液測定(測定機器:コバスb101等)、Hb測定(測定機器:ASTRIM FIT)であった。対照として、過去5年間に行った健康フェアの結果と比較した。
【結果】
2022年時の参加者は71人(年齢58.5±17.7歳、身長:160.7±8.9cm、体重:57.2±10.5kg、BMI:22±2.8)であった。測定値の平均値はHbA1c5.9%、総コレステロール209.2mg/dL、中性脂肪168.6mg/dL、HDL66.2 mg/dL、LDL108.6 mg/dL、Hb13.3 g/dL、血糖値117.7 mg/dLであった。血液検査の基準範囲外の比率はHbA1c20.6%、総コレステロール56.7%、中性脂肪40.3%、HDL1.6%、LDL18.0%、Hb17.8%、血糖値33.8%であった。過去5年分と比較し、HbA1cは変わらず、総コレステロール、HDL、LDL、Hbは高く、その他の測定値は低くなった。
【考察】
新型コロナウイルス流行前後の分析結果、数項目は数値が悪化の傾向を示した。また、改善している項目もあるが基準値を超える結果となった。新型コロナウイルス流行による食生活の変化、運動習慣の消失が数値の悪化につながった。今回把握した検査値をもとに、地域患者のための薬局としての健康相談時に活用したいと考えている。