第17回日本薬局学会学術総会

講演情報

一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Aグループ

2023年10月9日(月) 13:10 〜 13:50 ポスター会場 (2号館3階 会議室231/会議室232+233/会議室234)

[P-028-A] 事前医療機関打ち合わせの脱感作療法服薬フォローアップによる医療機関連携

土切 正紘 ((株)アイセイ薬局)

【目的】
シダキュア、ミティキュア治療において初回と増量期分は同時に処方されることがあり、その場合は初回医療機関にて経過観察を行うが、増量期分は自宅にて服用され経過観察はされない場合がある。増量期服用後、有害事象により本人又家族が服用継続の判断がつかず服用を独断で中止するケースも見られた。そのため、薬剤師として服薬コンプライアンス向上のために増量期に対する服薬フォローアップを行い、該当患者のデータをまとめた。
【方法】
アイセイ薬局千川店において、2020年2月~2022年4月に来局された初回シダキュア、ミティキュア治療処方患者に対して、増量期服用2時間後電話にて服薬フォローアップを行った。服薬フォローアップは、事前に処方元耳鼻科医師と打ち合わせを行い、継続・中止受診勧告等ルールを設定した。今回服薬フォローアップで得られた情報をとりまとめた。
【結果】
服薬フォローアップした患者数は165名(シダキュア:98名、ミティキュア:67名)、年齢は5~53歳で、中央値は11歳であった。医療機関と取り決めた中止・受診勧告ルールは口腔内の腫れやアナフィラキシー等である。服薬フォローアップ時点で165名中副作用発現なく継続されたのは124名(75.2%)。軽微な副作用はあるが継続したのは36名(21.8%)。中止・受診勧告症例は5名(3%)。報告後、次回受診時にて治療計画が変更になり、増量を行わず初回量で継続治療したのは6名(全体の3.6%)。軽微な副作用の多くは口腔内や皮膚の掻痒、鼻水である。
【考察】
医療機関と事前の取り決めに則った薬局の服薬フォローアップにより、早期に副作用防止・発見に貢献したと考えられ、医師の計画に則った治療に繋がったものと考える。この医療連携は最終的に患者本人又家族の不安を取り除くことに繋がり、継続的な治療やコンプライアンス向上に繋がっていると考える。