[P-031-A] 高齢者の高マグネシウム血症発症予防を目的とした患者調査と取り組みの課題についての考察
【目的】
酸化マグネシウム(以下Mg)製剤の「高Mg血症」については、PMDA などから繰り返し注意情報が出されており、医療機関での発症・重篤化防止並びに早期発見の取り組みが求められている。今回、改めて高Mg血症を予防する目的で、高齢者を対象に、高Mg血症の自覚症状と患者の理解度について調査するとともに、今後の取り組みの課題について考察した。
【方法】
2022年4月~6月30日の期間中で、70歳以上かつ990mg/日以上の酸化Mgを6か月以上服用継続している来局患者について、高Mg血症の自覚症状(めまい、皮膚発赤、傾眠など)の確認とその症状を理解しているかについて聴取した。また、薬歴より確認した腎機能検査値(SCr、eGFR、BUN)より「CKDステージG3b」もしくは「BUN値>20mg/dL」の条件を満たす患者をスクリーニングし、血清Mg値測定の有無も調べた。
【結果】
対象患者210名について、高Mg血症の自覚症状は確認されず、症状の理解についても「知らなかった」との反応があった。腎機能が確認できていたのは49名(23.3%)、そのうち腎機能低下患者は14名(28.6%)であった。ただし、この14名の血清Mg値は誰も測定されておらず、5名については薬剤師から医師に血清Mg値の測定を提案したが、その後も測定されなかった。
【考察】
今回の調査結果から、酸化Mgを長期服用している高齢者のうち、4人に1人が高Mg血症に注意が必要な腎機能低下患者であることが示唆された。一方で、血清Mg値について薬局での確認はできておらず、医師への提案方法にも課題があることが明らかとなった。今後、保険薬局において高Mg血症予防のための取り組みを適切に行うためには、「定期的な高Mg血症の自覚症状の確認と患者教育」「腎機能検査値の確認」「血清Mg値測定を適切に提案するための共通目線を定めるなど、医療機関との連携構築」が必要と考察した。
酸化マグネシウム(以下Mg)製剤の「高Mg血症」については、PMDA などから繰り返し注意情報が出されており、医療機関での発症・重篤化防止並びに早期発見の取り組みが求められている。今回、改めて高Mg血症を予防する目的で、高齢者を対象に、高Mg血症の自覚症状と患者の理解度について調査するとともに、今後の取り組みの課題について考察した。
【方法】
2022年4月~6月30日の期間中で、70歳以上かつ990mg/日以上の酸化Mgを6か月以上服用継続している来局患者について、高Mg血症の自覚症状(めまい、皮膚発赤、傾眠など)の確認とその症状を理解しているかについて聴取した。また、薬歴より確認した腎機能検査値(SCr、eGFR、BUN)より「CKDステージG3b」もしくは「BUN値>20mg/dL」の条件を満たす患者をスクリーニングし、血清Mg値測定の有無も調べた。
【結果】
対象患者210名について、高Mg血症の自覚症状は確認されず、症状の理解についても「知らなかった」との反応があった。腎機能が確認できていたのは49名(23.3%)、そのうち腎機能低下患者は14名(28.6%)であった。ただし、この14名の血清Mg値は誰も測定されておらず、5名については薬剤師から医師に血清Mg値の測定を提案したが、その後も測定されなかった。
【考察】
今回の調査結果から、酸化Mgを長期服用している高齢者のうち、4人に1人が高Mg血症に注意が必要な腎機能低下患者であることが示唆された。一方で、血清Mg値について薬局での確認はできておらず、医師への提案方法にも課題があることが明らかとなった。今後、保険薬局において高Mg血症予防のための取り組みを適切に行うためには、「定期的な高Mg血症の自覚症状の確認と患者教育」「腎機能検査値の確認」「血清Mg値測定を適切に提案するための共通目線を定めるなど、医療機関との連携構築」が必要と考察した。