第17回日本薬局学会学術総会

講演情報

一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Aグループ

2023年10月9日(月) 13:10 〜 13:50 ポスター会場 (2号館3階 会議室231/会議室232+233/会議室234)

[P-037-A] 市立札幌病院・近隣薬局連携による疑義照会簡素化プロトコル導入及び評価と対応

中村 玲菜1, 西部 浩1, 伊藤 譲1, 岩津 拓也1, 小竹 弘道2, 前田 あきつ3, 金本 優美4, 櫻井 英夫5, 阿部 みさき6, 比嘉 耕基7, 上原 菜摘8, 山田 純一9, 加納 宏樹9, 川本 由加里9, 後藤 仁和9 (1.(株)そえる パルス薬局桑園店, 2.アイングループ (株)アインファーマシーズ アイン薬局桑園駅前店, 3.(株)医王堂 アステル薬局桑園店, 4.(株)イオン北海道 イオン薬局札幌桑園店, 5.(株)クリオネ クリオネ薬局桑園店, 6.(株)ココカラファイングループ ココカラファイン薬局桑園店, 7.(株)ナカジマ薬局 ナカジマ薬局桑園店, 8.(株)なの花北海道 なの花薬局桑園店, 9.市立札幌病院薬剤部)

【目的】
2021年4月に疑義照会簡素化プロトコル(PBPM)の導入を目指し、市立札幌病院薬剤部と近隣8薬局が連携し取り組み、2022年3月より運用を開始した。 PBPM導入後の実績を集計、また薬局薬剤師への導入後アンケートも実施することで有用性を評価しPBPMの内容の改訂をはかった。
【方法】
2022年6~8月に市立札幌病院から発行された処方箋を対象としPBPMを適用した項目・件数等を調査した。調査項目:1)疑義照会件数、2)PBPM対象の疑義照会件数、3)PBPMの内訳件数(1.薬剤変更:出荷調整による後発品から先発品への変更、別規格製剤がある場合の規格変更、2.剤形の変更:錠剤の粉砕指示に対する他規格または散剤への変更、3.調剤方法の変更:一包化、4.日数の適正化:週1回製剤、隔日投与等の日数変更、定期薬に残薬がある場合の日数短縮)また薬剤師へのアンケートを行い課題や要望、満足度について調査した。
【結果】
総疑義照会処方箋枚数1639枚中PBPMを運用した処方箋は495枚、後発品の出荷調整による先発品への変更が最も多かった。各項目の満足度はそれぞれ80%を超える結果が得られた。アンケート結果から今後追加が効果的な項目について精査し、改定版として「先発併売品への変更」、「服用歴のある配合錠剤が単剤の組み合わせに変更されたと判断でき、患者が希望した時に元の配合錠に変更」、「シートの形状により錠数が限定される場合の日数変更」を追加した。また日数適正化の項目については医師の指示が不明瞭な場合は疑義照会を行うことを追記した。
【考察】
PBPMの実施は薬剤師の労力削減に加え、薬剤師へのアンケート結果より、疑義照会に今までかかっていた時間が軽減されたと多くの声が上がったことから患者待ち時間短縮等の効果が期待できる。一方、検証の中で医師が患者の機能回復を目的として一包化を指示しない事例が共有された。削減された時間を活かし、個々の患者に適した対人業務の充実につなげたい。