[P-043-A] 乳癌ホルモン療法内服患者へのチェックシートを用いたフォローアップ~専門医療機関連携薬局としての取り組み~
【目的】
乳がん診療ガイドラインにおいてアロマターゼ阻害薬(以下AI)服用時には骨密度の評価を行い骨折のリスクに応じて骨吸収抑制薬を使用すると記載されている。
専門医療機関連携薬局として、がん患者への新たな取り組みはできないか検討し、AI服用患者で懸念される骨粗鬆症の対応状況等を含めた服薬状況チェックシートを実施したので報告する。
【方法】
2022年7月~9月の期間に、来局した乳がんホルモン療法継続服用患者91名(アナストロゾール28名、レトロゾール33名、タモキシフェン28名、エキセメスタン2名)に対して、チェックシートを用いて副作用発現状況や服薬状況を聞き取り、その結果を情報提供した。また、一律の対応ができるよう、チェックシートには対応方法を記載した。
【結果】
直近3か月間で7日間以上の飲み忘れがあった患者は4名であり、服薬状況は全体的に良好であった。副作用の自覚症状有は、ほてり32名、関節痛21名、体重増加14名であり、副作用と自覚しながら治療を優先できていた。
AI服用患者において、骨粗鬆症の対応がなされていたのは、24名(定期的な検査5名、薬剤の処方19名)であり、対策の取られていない39名に対して、カルシウム摂取等のアドバイスや適度な運動、検診の受診等を説明した。何かしらの対応がとられたのは3名であり、医師からの問い合わせ(取り組みについて)1名、検診をうけて異常がなかった患者が1名、骨粗鬆症薬が処方開始となった患者が1名であった。
【考察】
チェックシートを用いることで、AI服用時に懸念される骨粗鬆症に対して対応がとられていない患者がいることが明らかとなった。それらの患者に対して、薬局で情報を発信することは、専門医療機関連携薬局を標榜するうえで重要な役割を担っていると考える。専門医療機関連携薬局に対する医療機関の認知度を上げ、情報提供した患者に対する対応率をあげることが今後の課題である。
乳がん診療ガイドラインにおいてアロマターゼ阻害薬(以下AI)服用時には骨密度の評価を行い骨折のリスクに応じて骨吸収抑制薬を使用すると記載されている。
専門医療機関連携薬局として、がん患者への新たな取り組みはできないか検討し、AI服用患者で懸念される骨粗鬆症の対応状況等を含めた服薬状況チェックシートを実施したので報告する。
【方法】
2022年7月~9月の期間に、来局した乳がんホルモン療法継続服用患者91名(アナストロゾール28名、レトロゾール33名、タモキシフェン28名、エキセメスタン2名)に対して、チェックシートを用いて副作用発現状況や服薬状況を聞き取り、その結果を情報提供した。また、一律の対応ができるよう、チェックシートには対応方法を記載した。
【結果】
直近3か月間で7日間以上の飲み忘れがあった患者は4名であり、服薬状況は全体的に良好であった。副作用の自覚症状有は、ほてり32名、関節痛21名、体重増加14名であり、副作用と自覚しながら治療を優先できていた。
AI服用患者において、骨粗鬆症の対応がなされていたのは、24名(定期的な検査5名、薬剤の処方19名)であり、対策の取られていない39名に対して、カルシウム摂取等のアドバイスや適度な運動、検診の受診等を説明した。何かしらの対応がとられたのは3名であり、医師からの問い合わせ(取り組みについて)1名、検診をうけて異常がなかった患者が1名、骨粗鬆症薬が処方開始となった患者が1名であった。
【考察】
チェックシートを用いることで、AI服用時に懸念される骨粗鬆症に対して対応がとられていない患者がいることが明らかとなった。それらの患者に対して、薬局で情報を発信することは、専門医療機関連携薬局を標榜するうえで重要な役割を担っていると考える。専門医療機関連携薬局に対する医療機関の認知度を上げ、情報提供した患者に対する対応率をあげることが今後の課題である。