第17回日本薬局学会学術総会

講演情報

一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Aグループ

2023年10月9日(月) 13:10 〜 13:50 ポスター会場 (2号館3階 会議室231/会議室232+233/会議室234)

[P-052-A] メトトレキサートの投与周期初日の電話によるコンプライアンスの調査

水野 裕之, 野尻 悠斗, 吉松 昂大, 柴田 賢三, 山田 直也, 宇野 達也 ((株)ヤナセ薬局)

【目的】
メトトレキサート(MTX)は週単位で服用するため毎日服用薬剤と比較すると指定された曜日にのみ服用することから服用日の失念によりコンプライアンスが約50%未満に低下しているとの報告がある。今回、MTXが処方されている患者に対して薬剤師が投与周期初日に電話にて服薬状況を確認し、実際の服用割合を調査した。また、患者が服薬を忘れない工夫を意識して行っているかを聞き取り、その内容について確認した。
【方法】
ヤナセ薬局においてMTX製剤が投与され、医師の指示により服用曜日が決められていた患者のうち、同意を得られた患者7名を対象とし、服用当日に電話にて服用したかどうかを5回にわたり確認した。また、どのような飲み忘れを防ぐ方策を行っているかどうかについて確認した。
【結果】
対象となった服薬周期35回のうち、服用を忘れていた回数はなかった。服薬忘れを防ぐ方策としては毎日確認するものへ服用日に印をつける、1週間分をお薬トレイにセットしているであった。
【考察】
今回の調査において投与周期初日の服薬忘れは見られなかった。このことは投与周期初日に患者に確認することは患者の服薬意識を高め、コンプライアンスを高めることの一つの方策であると考えられた。しかし、今回の調査では行っていないが服薬周期途中での飲み忘れたとの患者からの声があった。MTXの服薬については服薬方法の間違いにより、骨髄抑制を発症した死亡例の報告やコンプライアンスをあげる方策として説明書を用いた報告があるので服薬期間を通してフォローアップをしていく方策について検討していきたい。本研究は愛知県薬剤師会倫理委員会の審査を受け承認された(承認番号2021-03)。