第17回日本薬局学会学術総会

講演情報

一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Aグループ

2023年10月9日(月) 13:10 〜 13:50 ポスター会場 (2号館3階 会議室231/会議室232+233/会議室234)

[P-061-A] 服薬フォローアップに関する意識調査 ~薬剤師の意識の変化~

有坂 雄一郎1, 渡邉 百江1, 安田 晴佳2, 宮本 理英3, 種田 香菜4, 吉田 智恵5, 土屋 悠太5 (1.なぎさ薬局グループ(有)共生商会 こみなと薬局, 2.おおの薬局, 3.高田中央薬局, 4.(株)アサヒ調剤薬局 北斗支店, 5.亀田支店)

【目的】
2020年9月から薬機法で服薬フォローアップ(以下FU)が義務化となったが、実際には取り組み難い現状であった。かかりつけ薬局・薬剤師として、より積極的なFUに取り組む意識改革を目標に活動した。
【方法】
FUの実態を把握する為グループ全店の薬剤師へアンケートを実施し、95名の回答を得た。『電話をかけることに抵抗がある』『FUに対して患者の理解が得られない』という意見が多くあった事を踏まえ、FU周知の為に、後日服薬状況等を確認する事がある旨を記載した患者向けのチラシを作成した。同時にFUの事例報告制度を設け、2022年12月~2023年2月までの事例を収集し全店で共有した。また、具体的なFU事例の発表やチラシの活用方法のセミナーをグループ全体で開催し、意識の変化があったか再度アンケートを実施した。
【結果】
活動後のアンケートは95名中89名の回答を得た。FUを行ったことがない人は64名→37名へ減少し、FUに対するモチベーションが『高まった』は37名(41.5%)、『あまり変わりない』は52名(58.4%)、『下がった』は0名だった。事例集では『FUにより必要な薬が追加になった』等患者の信頼を得られたケース(2件)に加え、『かかりつけ薬剤師の同意を得た』というケース(1件)もあった。電話への抵抗はあまり減少していなかったが『初めは不審がられたが最終的に感謝された』等、積極的に取り組めた事例もあった。自由記載では『事例共有の継続希望』『店舗ごとのFU対象者の選定も有効』との意見が挙がった。
【考察】
今回の活動を機にFUに踏み切る事ができた薬剤師も多く、活動による効果は大きかったと考えられる。また、SMS等電話以外の手段も取り入れる事で、よりFUのハードルが下がり、幅広い世代への対応も可能になると考える。個人での意識・習慣づけに加え、事例共有の継続や店舗ごとのFU対象者の設定等の活動を組織的に行っていく事で、かかりつけ薬局・薬剤師に繋がると考える。