[P-073-A] 薬局薬剤師の精神疾患患者への薬学的介入に関する意識調査
【目的】
精神疾患患者は年々増加し、保険薬局の薬剤師が対応する精神疾患患者数も増えている。精神疾患患者対応に苦手意識を抱える薬剤師も一定数存在する。本調査では、保険薬局の薬剤師が、精神疾患患者の薬学的介入を行う上での問題点を抽出するため、アンケート調査を実施した。
【方法】
スギ薬局の薬剤師に対して、2023年4月14日~28日の期間に薬剤師属性、薬局薬剤師の精神疾患患者対応の業務及び知識等に関して、どの程度困っているかを5段階の選択肢で回答する32の設問と、困っていること、必要と考えられる対策を自由記載にてWebアンケートを実施した。2群間の比較にはt検定を、精神科薬物治療の苦手意識等に影響する因子についてロジスティック回帰分析を行った。苦手意識について、大変苦手である/少し苦手意識があると回答したものを苦手意識有りとし、苦手でも得意でもない/少し得意である/大変得意であると回答したものを苦手意識無しとし、2群に分けた。
【結果】
80人から回答が得られ、薬剤師経験年数は、平均13.4±10.4年であった。苦手意識有り群の経験年数(10.30±9.37年, n=44)は苦手意識無し群(17.08±10.59, n=36)よりも有意に短かった(P=0.003)。「精神科薬物治療の苦手意識」の回答を従属変数とし、他の質問項目(疾患の知識、薬の知識、副作用、医師・患者とのコミュニケーション、患者さんの行動(反応)、患者さんのご家族、薬剤師の業務)を説明変数とし分析した結果、疾患の知識に有意な関連性が認められた(オッズ比:6.278、95%信頼区間0.257~3.417、P=0.023)。
【考察】
本調査から、精神疾患患者対応の苦手意識は、薬剤師の経験年数に関連が見られ、疾患知識が大きく寄与していることが示唆された。今後、精神疾患患者対応における薬剤師業務のアルゴリズム構築と疾患知識を補完できるツールを開発することにより、精神科薬物治療の苦手意識の改善に寄与できるものと考える。
精神疾患患者は年々増加し、保険薬局の薬剤師が対応する精神疾患患者数も増えている。精神疾患患者対応に苦手意識を抱える薬剤師も一定数存在する。本調査では、保険薬局の薬剤師が、精神疾患患者の薬学的介入を行う上での問題点を抽出するため、アンケート調査を実施した。
【方法】
スギ薬局の薬剤師に対して、2023年4月14日~28日の期間に薬剤師属性、薬局薬剤師の精神疾患患者対応の業務及び知識等に関して、どの程度困っているかを5段階の選択肢で回答する32の設問と、困っていること、必要と考えられる対策を自由記載にてWebアンケートを実施した。2群間の比較にはt検定を、精神科薬物治療の苦手意識等に影響する因子についてロジスティック回帰分析を行った。苦手意識について、大変苦手である/少し苦手意識があると回答したものを苦手意識有りとし、苦手でも得意でもない/少し得意である/大変得意であると回答したものを苦手意識無しとし、2群に分けた。
【結果】
80人から回答が得られ、薬剤師経験年数は、平均13.4±10.4年であった。苦手意識有り群の経験年数(10.30±9.37年, n=44)は苦手意識無し群(17.08±10.59, n=36)よりも有意に短かった(P=0.003)。「精神科薬物治療の苦手意識」の回答を従属変数とし、他の質問項目(疾患の知識、薬の知識、副作用、医師・患者とのコミュニケーション、患者さんの行動(反応)、患者さんのご家族、薬剤師の業務)を説明変数とし分析した結果、疾患の知識に有意な関連性が認められた(オッズ比:6.278、95%信頼区間0.257~3.417、P=0.023)。
【考察】
本調査から、精神疾患患者対応の苦手意識は、薬剤師の経験年数に関連が見られ、疾患知識が大きく寄与していることが示唆された。今後、精神疾患患者対応における薬剤師業務のアルゴリズム構築と疾患知識を補完できるツールを開発することにより、精神科薬物治療の苦手意識の改善に寄与できるものと考える。