第17回日本薬局学会学術総会

講演情報

一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Aグループ

2023年10月9日(月) 13:10 〜 13:50 ポスター会場 (2号館3階 会議室231/会議室232+233/会議室234)

[P-076-A] 再発結腸がん患者の外来治療における服薬確認事例

渡邉 鴻志 ((株)共栄堂 ライム調剤薬局)

【目的】
近年がん治療における外来がん治療が増加しており、病院と連携した薬局薬剤師による服薬・副作用マネジメントが求められるようになっている。そこで新レジメン開始間もない患者に対して電話でのフォローを行い、病院へフィードバックした事例と課題を報告する。
【方法】
20XX年3月29日から翌年4月28日の当該患者の薬歴と病院発行サマリーとフィードバック記載控えを参照し振り返りを行った。【患者背景】70代女性。切除不能の結腸癌外来抗がん剤治療を20XX年3月29日から開始。患者はBV+CapeOX、BV+SOX、BV+SIRを順次受けた。その後翌年3月7日BV+トリフルリジン・チピラシル配合錠T15(以降TAS102) に変更されTAS102 6錠1日2回の1回目の院外処方を受けた。
【経過】
TAS102初回調剤から3日後の電話にて1回1錠しか服用できていないことが判明。その場で間違いを説明し、所定の様式により医師にフィードバックを行った。その後体調不良で入院中TAS102は4錠に減量となっていた。飲み違いがあったことを踏まえて4月18日院外処方時に服薬補助台紙を用いて患者と一緒にセットしながら服薬指導を行った。1週間後の電話で服薬状況は問題ないことを確認した。
【考察】
本症例のTAS102の飲み間違いはレジメンが目まぐるしく変わっていたこと、高齢であることが原因の可能性があったと考えられる。それらを踏まえると、患者の飲み間違いによるその後の治療や副作用への影響が大きい事を念頭に服薬初日の用法用量に対する患者理解の確認が必要であると言える。今後、患者モニタリングやフォローアップは有害事象も、タイミングをおさえた用法用量確認も、満遍なく実施したい。