第17回日本薬局学会学術総会

講演情報

一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Aグループ

2023年10月9日(月) 13:10 〜 13:50 ポスター会場 (2号館3階 会議室231/会議室232+233/会議室234)

[P-079-A] 吸入薬継続患者における吸入手技の再評価について

前田 みゆき, 林 征也, 杉本 知弥, 宮本 真梨子, 寺田 有希, 則武 友香, 増田 千穂 (たんぽぽ薬局 (株))

【目的】
たんぽぽ薬局A店では、新規に吸入薬が開始になった患者に対し、構造化された吸入手技評価表を用いて評価を行い、結果を病院にフィードバックしている。しかし、吸入指導は初回のみで、継続中の患者が正しく理解し使用しているかは確認できていない。今回、吸入薬継続患者の吸入手技を再評価することで、吸入薬指導における課題を明らかにすることを目的とする。
【方法】
2022年10月~2023年3月の期間、たんぽぽ薬局A店に来局された吸入薬継続患者を対象に、デモ器を用いた手技の確認と聞き取り調査を行った。評価項目はデバイスに関する習得状況確認6項目と、吸入療法全般に関する状況確認6項目の計12項目とし、「問題なし」「やや不十分」「できていない」の3段階で評価した。投薬時と電話フォローアップ時に吸入指導を行い、次回来局時に再度同様の調査を行い、吸入指導の前後で比較した。
【結果】
期間中、69名に調査を実施した。評価項目12項目のうち1回目「やや不十分」もしくは「できていない」の評価が多かった項目は、「薬剤名が言える」で50名(72.5%)であった。次いで、「吸入後5秒間息を止めている」が28名(40.6%)、「吸入後ゆっくりと息を吐き出している」が24名(34.8%)であった。吸入指導後の2回目の調査ではそれぞれ46名(66.7%)、10名(14.5%)、8名(11.6%)であった。
また、12項目全て 「問題なし」の評価であった患者は1回目3名(4.3%)であったが、指導後は17名(24.6%)であり、改善がみられた。
【考察】
「やや不十分」 「できていない」評価が多かった項目は2回目で改善が認められ、投薬時の直接指導とテレフォンフォローアップを行うことが、吸入手技理解向上に繋がることが示唆された。薬局での吸入手技指導は、初回だけでなく継続的に実施すること、また、口頭の聞き取りだけではなくデモ器を用いて具体的に確認し評価することが必要であると考える。