第17回日本薬局学会学術総会

講演情報

一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Bグループ

2023年10月9日(月) 14:00 〜 14:40 ポスター会場 (2号館3階 会議室231/会議室232+233/会議室234)

[P-098-B] 来局された慢性疾患患者のQOLと薬歴情報の関連性に関する調査(第2報)

佐野 敦彦1, 井上 剛1, 堀 一至2, 高辻 靖雄3, 木原 武雄3, 伊藤 嘉宏3 (1.田辺薬局(株), 2.(株)グッドサイクルシステム, 3.(株)社会情報サービス)

【目的】
近年、医薬分業の質の評価が求められているが、多くの報告が医療者側の視点からの評価であり、患者視点の報告が少ない。また薬局の貢献を検討するには、指導記録である薬歴から情報を得ることが必要と考える。
我々は患者視点の評価として、健康関連QOL 尺度であるEQ-5Dを用いて患者QOLスコア(以下、患者QOL)を測定し、薬歴の「処方内容」「処方期間」「残薬有無」「服薬問題有無」等(以下、「薬歴」とする)と、患者QOLの関連性について検討した。
【方法】
2021年5月1日から7月31日までの期間、田辺薬局(62店舗)で慢性疾患治療薬が処方された患者を対象に、本研究に同意が得られた方にEQ-5Dや、治療に対する考え等についてアンケート調査を実施し回答620件を回収した。うち444件についてアンケート結果と薬歴を紐づけし、分析を行った。本研究は神奈川県薬剤師会倫理審査委員会の承認を得て実施した。
【結果】
薬歴に基づく患者の通院状況を検討した結果、定期的に通院している患者(処方期間終了以降の受診日が平均して7日以内)は、そうでない患者と比較して患者QOLが低いことが示された。また、調査期間中に一度でも「服薬問題あり」若しくは「残薬あり」と記録された患者は、記録がない患者に比べて患者QOLが低い傾向が見られた。
【考察】
通院状況と患者QOLの関係から、病状の自覚症状が通院の頻度に影響していることが示唆された。通院状況の悪化がその後の患者QOLに及ぼす影響は観測できていないが、通院状況改善に向けた取り組みは必要であると考える。また、服薬状況が患者QOLに影響を与えていることからも適切な服薬に向けた指導は患者QOLの改善に重要であると考えられる。これらの取り組みを進めていく上でも、分業の質に関するエビデンスを構築するためにも、指導並びに薬剤服用歴の整備はより重要になってくると考えられる。