[P-103-A] 保険薬局利用患者の抗菌薬適正使用に関する意識調査
【目的】
近年、薬剤耐性(Antimicrobial Resistance:AMR)対策によって、抗菌薬の使用量は減少している。その一方で、市中の医療機関においては、未だに患者が医師に抗菌薬の処方を依頼するケースが散見される。また、処方された抗菌薬を自己判断で中止し、余った抗菌薬を後日服用したり他人に譲渡したりするケースも散見され、有害事象が発生するリスクやAMRを助長している可能性がある。この背景として、患者の抗菌薬とAMRに関する意識・知識不足が挙げられる。そこで本研究では、保険薬局利用患者に抗菌薬適正使用に関する意識調査を実施した。
【方法】
2020年11月1日~2021年1月31日までに、東京都八王子市に位置する当社の保険薬局9店舗に来局した患者に、抗菌薬適正使用に関するアンケート調査を実施した。調査結果はロジスティック回帰分析による多変量解析を行い、分散拡大係数(Variance Inflation Factor:VIF)を算出して多重共線性の有無を確認した。
【結果】
対象期間中に2,003枚のアンケートを収集し、有効枚数は1,887枚(男性:931枚、女性:956枚)であった。抗菌薬服用経験のある患者は1,734名(91.9%)、薬剤耐性菌を知っている患者は529名(28.0%)、抗菌薬がウイルスに効かないことを知っている患者は605名(32.1%)であった。ロジスティック回帰分析の結果、誤った知識を持っている患者はAMRを助長する行動(抗菌薬を医師の指示通り服用しない、抗菌薬を自己判断で中止する、余った抗菌薬を保管する、抗菌薬を予備で処方される、など)をとるリスクが有意に高かった(P < 0.01)。【考察】
本研究から、保険薬局利用患者の抗菌薬適正使用に関する意識不足が、AMRを助長する行動に繋がっていることが明らかになった。したがって、薬局薬剤師が服薬指導時に抗菌薬とAMRに関する情報を患者に積極的に分かりやすく提供し、AMR対策アクションプランの普及啓発・教育を推進する必要がある。
近年、薬剤耐性(Antimicrobial Resistance:AMR)対策によって、抗菌薬の使用量は減少している。その一方で、市中の医療機関においては、未だに患者が医師に抗菌薬の処方を依頼するケースが散見される。また、処方された抗菌薬を自己判断で中止し、余った抗菌薬を後日服用したり他人に譲渡したりするケースも散見され、有害事象が発生するリスクやAMRを助長している可能性がある。この背景として、患者の抗菌薬とAMRに関する意識・知識不足が挙げられる。そこで本研究では、保険薬局利用患者に抗菌薬適正使用に関する意識調査を実施した。
【方法】
2020年11月1日~2021年1月31日までに、東京都八王子市に位置する当社の保険薬局9店舗に来局した患者に、抗菌薬適正使用に関するアンケート調査を実施した。調査結果はロジスティック回帰分析による多変量解析を行い、分散拡大係数(Variance Inflation Factor:VIF)を算出して多重共線性の有無を確認した。
【結果】
対象期間中に2,003枚のアンケートを収集し、有効枚数は1,887枚(男性:931枚、女性:956枚)であった。抗菌薬服用経験のある患者は1,734名(91.9%)、薬剤耐性菌を知っている患者は529名(28.0%)、抗菌薬がウイルスに効かないことを知っている患者は605名(32.1%)であった。ロジスティック回帰分析の結果、誤った知識を持っている患者はAMRを助長する行動(抗菌薬を医師の指示通り服用しない、抗菌薬を自己判断で中止する、余った抗菌薬を保管する、抗菌薬を予備で処方される、など)をとるリスクが有意に高かった(P < 0.01)。【考察】
本研究から、保険薬局利用患者の抗菌薬適正使用に関する意識不足が、AMRを助長する行動に繋がっていることが明らかになった。したがって、薬局薬剤師が服薬指導時に抗菌薬とAMRに関する情報を患者に積極的に分かりやすく提供し、AMR対策アクションプランの普及啓発・教育を推進する必要がある。