[P-115-A] エスフルルビプロフェン・ハッカ油テープ使用により発生した胃部有害事象の一例
【目的】
近年上市されたエスフルルビプロフェン・ハッカ油テープ(以下、SFP)は、経皮吸収効率の高い経皮吸収型鎮痛消炎剤であり、発赤等の局所性の副作用に加え、胃炎等の胃腸障害が 1%未満の確率で発現することが添付文書に記載されている。そこで本研究では、当社グループ薬局薬剤師が報告した SFP 使用患者に発生した胃腸障害の一例から、薬局薬剤師の果たすべき役割を考察した(アイングループ医療研究倫理審査委員会承認番号:AHD-0184)。
【事例】
90 歳代女性。X 年 Y 月に当薬局に初めて SFP を含む処方箋を持参した。服薬指導で胃部への負担を説明し、交付後は患者が貼付面積を調整して使用していた。X+1 年 Y+3 月、SFP による胃部不快感のため処方中止になり、その後はロキソプロフェン Na テープ(以下、LX)のみの使用となった。しかし、LX のみでは疼痛コントロールが難しく、胃部有害事象の再発リスクはあるものの、X+1年 Y+7 月に SFP が再処方された。薬局薬剤師が注意深く患者を観察しており、X+1 年 Y+8 月の来局時に SFP 使用による胃部不快感の再発を確認し、処方医への疑義照会の結果、LX に変更となって胃部不快感は消失した。その後、疼痛が継続していたが、X+2 年 Y+2 月の来局時に、積極的なリハビリで疼痛が緩和したと聴取した。
【考察】
本事例では、有害事象リスクと疼痛コントロールの兼ね合いから SFP が再処方された患者の経過を薬局薬剤師が注意深く観察したことで胃部不快感の再発を早期発見できたことから、来局間の服薬フォローアップを含む薬局薬剤師の慎重かつ定期的な患者確認の重要性が示唆された。また、リハビリへの積極的な取り組みが結果的に疼痛緩和に至ったことから、薬局薬剤師は安全かつ効果的な外来薬物治療の実現に向けて、効果不十分の解決方法として、リスクを伴う薬効増強以外にも非薬物療法を選択肢の一つと捉える必要性も考えられる。
近年上市されたエスフルルビプロフェン・ハッカ油テープ(以下、SFP)は、経皮吸収効率の高い経皮吸収型鎮痛消炎剤であり、発赤等の局所性の副作用に加え、胃炎等の胃腸障害が 1%未満の確率で発現することが添付文書に記載されている。そこで本研究では、当社グループ薬局薬剤師が報告した SFP 使用患者に発生した胃腸障害の一例から、薬局薬剤師の果たすべき役割を考察した(アイングループ医療研究倫理審査委員会承認番号:AHD-0184)。
【事例】
90 歳代女性。X 年 Y 月に当薬局に初めて SFP を含む処方箋を持参した。服薬指導で胃部への負担を説明し、交付後は患者が貼付面積を調整して使用していた。X+1 年 Y+3 月、SFP による胃部不快感のため処方中止になり、その後はロキソプロフェン Na テープ(以下、LX)のみの使用となった。しかし、LX のみでは疼痛コントロールが難しく、胃部有害事象の再発リスクはあるものの、X+1年 Y+7 月に SFP が再処方された。薬局薬剤師が注意深く患者を観察しており、X+1 年 Y+8 月の来局時に SFP 使用による胃部不快感の再発を確認し、処方医への疑義照会の結果、LX に変更となって胃部不快感は消失した。その後、疼痛が継続していたが、X+2 年 Y+2 月の来局時に、積極的なリハビリで疼痛が緩和したと聴取した。
【考察】
本事例では、有害事象リスクと疼痛コントロールの兼ね合いから SFP が再処方された患者の経過を薬局薬剤師が注意深く観察したことで胃部不快感の再発を早期発見できたことから、来局間の服薬フォローアップを含む薬局薬剤師の慎重かつ定期的な患者確認の重要性が示唆された。また、リハビリへの積極的な取り組みが結果的に疼痛緩和に至ったことから、薬局薬剤師は安全かつ効果的な外来薬物治療の実現に向けて、効果不十分の解決方法として、リスクを伴う薬効増強以外にも非薬物療法を選択肢の一つと捉える必要性も考えられる。