第17回日本薬局学会学術総会

講演情報

一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Aグループ

2023年10月9日(月) 13:10 〜 13:50 ポスター会場 (2号館3階 会議室231/会議室232+233/会議室234)

[P-130-A] 簡易懸濁法導入を契機として継続的に減薬提案を実施した1例

白井 大士 ((株)ココカラファイン ヘルスケア ココカラファイン薬局鴨居駅前店)

【目的】
2016年から2020年の診療報酬改定において、ポリファーマシーの解消に関する取り組み、簡易懸濁法導入に関する取り組みが評価されてきた。本発表では、簡易懸濁法導入という背景を踏まえ、減薬提案を実施した症例について報告する。【症例】
80 歳代男性。胃瘻。内服薬は経腸栄養剤を除き全て散剤の剤型で投与していたが、薬剤の選択肢を拡げるため簡易懸濁法の導入を処方医へ提案し、実施することとなった。パンクレアチンとクエン酸第一鉄 Na については内用固形製剤への変更が困難であったこともあり、次の点から減薬を検討した。・胃の自覚症状の訴えが乏しいこと、体重も徐々に増加してきていること・貧血について採血依頼のうえ、採血結果より、鉄補充が十分行われたと推定されることその結果 2 剤が減薬となった。加えて、当患者は、誤嚥性肺炎をたびたび繰り返しており、普段から唾液が口から零れるという症状が継続してある為、唾液過多が主な原因として疑われるという診断があった。そのため、服用薬中で唾液量が増える可能性のある薬剤の精査を行い、D2 受容体阻害作用の影響が懸念されたため、クエチアピンおよびアリピプラゾールについて減薬及び処方変更の提案を行った。その結果、クエチアピンが減薬され、錐体外路症状や鎮静作用の影響を鑑みアリピプラゾールからレキサルティへ変更が行われた。
【考察】
当症例では、簡易懸濁法の導入時に内用固形製剤へ変更できない薬剤が存在することがきっかけとなりポリファーマシーの解消に至った。他の患者においても簡易懸濁法の導入は、ポリファーマシーの解消の契機となる可能性が考えられる。