第17回日本薬局学会学術総会

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一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Cグループ

Mon. Oct 9, 2023 2:50 PM - 3:30 PM ポスター会場 (2号館3階 会議室231/会議室232+233/会議室234)

[P-138-C] 薬剤師と管理栄養士の連携により検査値が改善後、減薬に至った2型糖尿病症例

河原 みどり ((株)メディックス しんわ薬局子安店)

【背景・目的】
現在、生活習慣病の予防・重症化防止の一助となるため、薬局では「薬物治療」のみならず、運動・食事などの「生活習慣」についての相談・指導も求められている。より専門的かつ持続可能な指導にあたっては、管理栄養士をはじめとした多職種との連携も重要なファクターであると考えられる。そこで、薬局における管理栄養士と連携した指導により生活習慣病患者の数値改善・減薬に至った症例を報告する。
【症例】
50代男性。脂質異常症・2型糖尿病の背景があり、HbA1c上昇により糖尿病治療薬が追加となった患者から栄養相談の希望を受けた。体質改善と心血管イベント発症予防のため、脂質異常症の検査値を含め、医師の治療目標値であるHbA1c7.0%と体重80kg維持へ向けて、店舗所属の管理栄養士による栄養相談を平均1回/月を1年間継続した。食事指導におより食生活の改善がみられ、体重:85kg→80kg、HbA1c:7.9%→5.6%と変化がみられた。検査値の改善にともない薬局から医師へ減薬提案を目的とした情報提供書を提出し、ピタバスタチン錠2mg・グラクティブ錠50mg・ランソプラゾールOD錠15mg・スーグラ錠50mgの4剤の処方から、スーグラ錠50mg1剤への減薬に至った。
【考察】
今回の症例では、薬局における薬剤師・管理栄養士の介入により、より具体的かつ実行可能な生活習慣の改善が行われたことが生活習慣病患者の数値改善および減薬に至った大きな要因と考えられる。また、薬局から医師への情報提供書提出では、エビデンスをもとにした減薬提案に加え、患者の減薬希望についてお伝えしすることで3者間の情報共有・信頼関係構築が成されたこともひとつの要因ではないかと考察する。今後、生活習慣病の予防・重症化防止のさらなる一助となるため、薬局での栄養・運動指導の実施はもちろん、情報提供書などを介し、実施内容や患者の実行状況などについて医師と情報共有することが重要と考えられる。