[P-157-A] 在宅医療用麻薬持続投与時の残量管理・処方提案から得られる医療経済に対する効果分析
【目的】
在宅医療における終末期患者に対する医療用麻薬持続投与方法のひとつとして,患者自己調節鎮痛法(PCA)を用いた薬剤の持続注入が選択されることが増えている.当薬局では,居宅訪問の際にPCAの使用記録を確認することにより,投与継続可能時間を推算している.そして,次回訪問診療時までに投与時間が終了してしまう場合や,薬局休業時に残量が払底する可能性がある場合は,必要に応じて医師に追加処方を提案し,緊急対応に伴う休日加算・時間外加算等の発生を回避するよう取り組んでいる. これにより得られる医療費負担の削減効果の分析を基に,本活動の有用性について検証を行う.
【方法】
当薬局における2022年4月1日から2023年3月31日までの1年間のレセプト記録により,麻薬持続注射薬の処方回数と,医師への提案により処方調整が行われた回数を確認した.前者は該当薬の処方を抽出して計数した.後者はその上で在宅患者重複投薬・相互作用防止加算料の算定を抽出して計数し,更に薬剤服用歴記載内容を精査し計数を行い,合わせて処方調整回数とした. これを基に,事前介入を行わず緊急対応となった場合に生じる医療費を調剤報酬により推計した.
【結果】
麻薬持続注射を行った27名中,14名は一度のみの処方であった.2回以上の処方があった13名について,53回の処方のうち提案を基に処方調整が行われた回数は15回であった.薬剤師が事前介入を行ったことで推計される医療費の削減額は32,032点(自己負担額として約32,030円~96,100円)であった.
【考察】
本取り組みは, 国民医療費の削減に繋がる可能性が示唆された.
24時間365日の対応は在宅医療,とりわけ終末期のケアにおいて不可欠な要素であるが,国民医療費が増大していく現況を鑑み,積極的に先んじた介入を行うことが有用であると考えられる.同時に,薬局の介入が増えることで,リアルタイムな患者情報の共有と,それに伴う他職種との連携により,より細やかなケアの提供が可能になると考える.
在宅医療における終末期患者に対する医療用麻薬持続投与方法のひとつとして,患者自己調節鎮痛法(PCA)を用いた薬剤の持続注入が選択されることが増えている.当薬局では,居宅訪問の際にPCAの使用記録を確認することにより,投与継続可能時間を推算している.そして,次回訪問診療時までに投与時間が終了してしまう場合や,薬局休業時に残量が払底する可能性がある場合は,必要に応じて医師に追加処方を提案し,緊急対応に伴う休日加算・時間外加算等の発生を回避するよう取り組んでいる. これにより得られる医療費負担の削減効果の分析を基に,本活動の有用性について検証を行う.
【方法】
当薬局における2022年4月1日から2023年3月31日までの1年間のレセプト記録により,麻薬持続注射薬の処方回数と,医師への提案により処方調整が行われた回数を確認した.前者は該当薬の処方を抽出して計数した.後者はその上で在宅患者重複投薬・相互作用防止加算料の算定を抽出して計数し,更に薬剤服用歴記載内容を精査し計数を行い,合わせて処方調整回数とした. これを基に,事前介入を行わず緊急対応となった場合に生じる医療費を調剤報酬により推計した.
【結果】
麻薬持続注射を行った27名中,14名は一度のみの処方であった.2回以上の処方があった13名について,53回の処方のうち提案を基に処方調整が行われた回数は15回であった.薬剤師が事前介入を行ったことで推計される医療費の削減額は32,032点(自己負担額として約32,030円~96,100円)であった.
【考察】
本取り組みは, 国民医療費の削減に繋がる可能性が示唆された.
24時間365日の対応は在宅医療,とりわけ終末期のケアにおいて不可欠な要素であるが,国民医療費が増大していく現況を鑑み,積極的に先んじた介入を行うことが有用であると考えられる.同時に,薬局の介入が増えることで,リアルタイムな患者情報の共有と,それに伴う他職種との連携により,より細やかなケアの提供が可能になると考える.